アスベストの基礎知識!建物に使われていた場合どうすればいいの?
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。今回のテーマは、アスベストについてです。
そもそもアスベストがどういったものなのか、最近はあまり話題に上ることもないかと思います。アスベストは石綿とも呼ばれる、繊維状の鉱物です。その細かい繊維を呼吸とともに吸い込むことで、深刻な肺機能障害を引き起こします。
アスベストはいつ使われていた?
アスベストは1955年頃から使用され始め、段階的に規制された後、2006年に全面禁止となりました。つまり1955年~2006年の間に建てられた、現在築18年~70年の建物に、アスベストが使用されている可能性があります。
特に工場は築年数がかなり経っている建物が多いかと思います。皆様が使用されている工場・倉庫も、この期間に当てはまる場合は注意が必要です。
逆にこの期間に当てはまらない建物であれば調査等なにも必要ありませんのでご安心ください。
アスベストが使われているか、調査した方がいい?
アスベストは飛散し吸い込むことで健康被害を引き起こす鉱物ですので、基本的には飛散しないような状態(板状に固めてあるスレートや、天井裏・壁の内部などに吹き付けられているもの)であればほぼ害はありません。つまり目に見える場所になければ、解体や修繕など飛散に繋がる工事をする時まで調査する必要はありません。
逆に目に見える場所に吹き付けられている場合は、劣化してくると飛散する可能性がありますので、対応が必要です。
調査を依頼する場合には、「建築物石綿含有建材調査者」の資格を保有している事業者に調査依頼しましょう。2023年10月より改修工事・解体工事におけるアスベスト有無の事前調査が義務化されていますが、その事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」の資格が必須となります。
どんなふうに調査するの?
アスベストの調査では、大きく分けて2つ、「書面調査」と「目視調査」を行います。
書面調査
書面調査では、建物の建設時に使用された設計図書からアスベストを含有する建材の有無を確認します。調査を依頼する前には設計図書(設計図や仕様書)を用意しておくとスムーズです。もし設計図書が見つからなくても、この後目視調査を行いますので問題ありません。あくまで目視調査の前の情報収集になります。
目視調査
目視調査では、書面調査で得られた情報をもとに建築物を直接見て、アスベスト含有建材が使われていないか調査を行います。室内に露出していない普段隠れている部分も調査を行いますので、少々大がかりな調査になります。
この調査で石綿が使用されていることが明白であれば、調査は終了です。目視だけではアスベストの有無の判別がつかない場合は、分析調査(試料を採取して分析)を行います。ちなみに分析調査を行わず、アスベストが含有されているものとして処理することも可能です。
調査の金額は、だいたい10万円~となります。解体工事・改修工事をする際にはアスベスト調査が必須となりますので、調査費用も含めて検討しましょう。
適切な対応をして、安全な工事を
アスベストが使用された建物をそのまま解体した場合、当然飛散したアスベストは工事を行っている作業員や、周辺に住んでいる方などに被害を及ぼします。調査は余分にお金がかかるし面倒だと思ってしまうかもしれませんが、安全のためにも解体工事・改修工事の際には必ずアスベスト調査を行いましょう。また、必要なアスベスト調査を省こうとする業者には注意して工事依頼をすることをおすすめします。