台風・ゲリラ豪雨で雨漏りする工場・倉庫の共通点|屋根・外壁の劣化を見逃さない
台風やゲリラ豪雨が近づくと、工場や倉庫を管理する施設管理担当者様にとって気になるのが「雨漏り」です。
普段の雨では問題がなかった建物でも、台風の接近によって強い雨や風にさらされると、突然、天井から水が落ちてきたり、壁に雨水が染み出したりすることがあります。
特に工場や倉庫は、住宅と比べて建物の規模が大きく、屋根面積も広いため、一度雨漏りが発生すると、製品や原材料、機械設備、電気設備などに影響する可能性があります。
また、工場や倉庫では「雨漏りしている場所」と「雨水が侵入している場所」が一致しないことも珍しくありません。屋根や外壁から侵入した雨水が建物内部を伝って移動し、実際に水が落ちてくる場所とは離れたところで劣化が起きているケースもあります。
では、なぜ台風のときに雨漏りするのでしょうか。
実は、台風が来たから突然建物に穴が開くというよりも、以前から進行していた屋根や外壁の劣化が、強い雨や風をきっかけにして雨漏りとして表面化するケースが多くあります。
今回は、台風で雨漏りが発生しやすい工場・倉庫の共通点と、屋根や外壁で確認しておきたい劣化症状、台風前後の対策について解説します。
台風やゲリラ豪雨で雨漏りが発生するのはなぜ?

台風・ゲリラ豪雨では、通常の雨とは異なり、非常に強い雨と風が同時に建物へ作用します。
通常の降雨であれば、屋根に落ちた雨水は勾配に沿って流れ、雨樋や排水設備から外部へ排出されます。
しかし、台風やゲリラ豪雨では短時間に大量の雨が降るため、屋根や雨樋の排水能力を超えてしまうことがあります。
さらに強風によって雨水が横方向や下から上へ吹き込むような状態になると、通常の雨では入り込まないような小さな隙間から雨水が侵入することがあります。
特に注意したいのが、屋根材の接合部や重なり部分、ボルト周辺、棟板金、外壁の目地、窓まわり、シーリングなどです。
これらの部分が劣化していると、強風・大雨をきっかけとして雨水が建物内部へ入り込む可能性があります。
つまり、台風やゲリラ豪雨による雨漏りを防ぐためには、台風が来てから対応するのではなく、普段から建物の劣化状態を確認しておくことが重要です。
台風・ゲリラ豪雨で雨漏りしやすい工場・倉庫の共通点
すべての建物が同じように雨漏りするわけではありません。
台風やゲリラ豪雨のときに雨漏りが発生しやすい建物には、いくつかの共通点があります。
- 屋根の劣化が進んでいる
- 外壁にひび割れがある
- シーリングが劣化している
そのほかにも様々な劣化のサインがあります。
それを見逃さないためにも、屋根や外壁の劣化症状を確認して台風に備えましょう。
屋根で確認しておきたい劣化症状
工場・倉庫の雨漏り対策では、まず屋根の状態を確認することが重要です。
ただし、大規模な工場や倉庫では屋根の面積が広く、地上からすべての状態を確認することが難しい場合もあります。
そのため、専門業者による点検を活用することも有効です。
屋根材の錆

金属屋根で特に注意したいのが錆です。
表面的な軽度の錆であれば、ケレンなどの下地処理を行ったうえで塗装による保護を検討できます。
一方で、腐食が進んで屋根材そのものが薄くなっている場合や穴が開いている場合は、塗装だけでは対応できない可能性があります。
「錆が出ているから塗装すればいい」と一律に判断するのではなく、屋根材の状態を確認することが大切です。
屋根塗膜の剥がれ
屋根の塗膜が劣化すると、色あせやチョーキングだけでなく、塗膜の膨れや剥がれが発生することがあります。
塗膜が剥がれて下地が露出している部分では、雨や紫外線の影響を直接受けるため、さらなる劣化につながる可能性があります。
特に広範囲で塗膜が剥がれている場合は、屋根全体の劣化状況を確認したほうがよいでしょう。
ボルト周辺の劣化

折板屋根などでは、固定用のボルトが使用されています。
このボルト周辺は雨水が集まりやすく、錆が発生している場合があります。
ボルトそのものだけではなく、周囲のシーリングやキャップなどの状態も確認することが重要です。
屋根材の浮きや破損
台風では強風によって屋根材に大きな力が加わります。
屋根材の固定が緩んでいたり、すでに劣化や破損が進んでいたりすると、強風によって状態が悪化する可能性があります。
屋根材の浮きや破損が確認できる場合は、台風が接近してからではなく、できるだけ早い段階で点検・補修を検討することが重要です。
外壁で確認しておきたい劣化症状
屋根だけ確認しておけばよいわけではありません。
台風時には外壁にも大量の雨が吹き付けるため、外壁の劣化も雨漏りの原因になることがあります。
外壁のクラック
外壁のひび割れは、幅や深さ、発生箇所によって重要度が異なります。
特に窓や開口部の周辺、外壁材の継ぎ目などに発生している場合は、雨水の侵入経路になっていないか確認する必要があります。
また、ひび割れの周辺に塗膜の剥がれや膨れ、変色などが見られる場合も注意が必要です。
塗膜の膨れ・剥がれ
外壁塗装の劣化症状として、塗膜の膨れや剥がれがあります。
塗膜が膨れている場合、その内部に水分が入り込んでいる可能性もあります。
すべての膨れが雨漏りを意味するわけではありませんが、広範囲に膨れや剥がれが発生している場合は、外壁の状態を詳しく確認する必要があります。
剥がれた部分をそのままにしておくと、下地が雨や紫外線にさらされ、劣化が進むことがあります。
チョーキング
外壁を手で触ったときに白い粉のようなものが付着する現象をチョーキングと呼びます。
これは塗膜の劣化を判断する際の代表的なサインの一つです。
チョーキングが見られたからといってすぐに雨漏りするわけではありませんが、塗膜が劣化していることは間違いありません。
他の劣化症状と合わせて建物全体の状態を確認することが重要です。
シーリングの劣化は見落としやすい
工場や倉庫の雨漏り対策で意外と見落とされやすいのがシーリングです。
外壁そのものに大きな問題がなくても、目地やサッシまわりのシーリングが劣化していると、そこから雨水が侵入する可能性があります。
代表的な劣化症状には、以下のようなものがあります。
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ひび割れ
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硬化
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痩せ
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剥離
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シーリングと外壁材の間に隙間がある
シーリングは外壁塗装と同時に確認することが多い部分ですが、塗装だけを行って、劣化したシーリングをそのままにしてしまうと、雨漏り対策として十分とはいえない場合があります。
そのため、外壁塗装を検討する際には、シーリングの状態も合わせて確認することが大切です。
雨樋や排水口の詰まりにも注意
台風やゲリラ豪雨時の雨漏りは、屋根や外壁の劣化だけが原因とは限りません。
雨樋や排水口の詰まりも確認しておきたいポイントです。
工場や倉庫では屋根面積が広いため、大量の雨水を適切に排水することが重要になります。
落ち葉やゴミなどが排水口に詰まっていると、雨水がスムーズに流れず、屋根上に水が溜まることがあります。
通常の雨では問題がなくても、台風による大雨では一気に排水量が増えるため、詰まりの影響が大きくなる可能性があります。
また、雨樋そのものが破損していたり、外れていたりする場合もあります。
台風シーズンを迎える前には、屋根や外壁だけでなく、雨水を排出する設備についても確認しておきましょう。
「台風が来てから」では遅いケースもある
台風が発生してから屋根や外壁の補修を行おうとしても、すべての工事に対応できるわけではありません。
強風や大雨の中では、安全上の理由から屋外作業を行えない場合があります。
また、台風直前は同じように建物の点検や修繕を希望する施設が増えることも考えられます。
そのため、重要なのは台風が来る前から建物の状態を把握しておくことです。
「去年の台風は大丈夫だったから今年も大丈夫」と考えるのではなく、前回の台風以降に屋根や外壁の劣化が進んでいないかを確認することが重要です。
特に築年数が経過している建物や、過去に雨漏りしたことがある建物は注意が必要です。
台風後に雨漏りを発見したらどうする?
台風が通過した後に、天井のシミや水滴、壁の濡れなどを発見した場合は、まず被害が広がらないように対応します。
工場や倉庫では、雨漏りによって製品や原材料、機械設備、電気設備などが濡れる可能性があります。
可能であれば、濡れて困る物品を安全な場所へ移動させ、電気設備などへの影響にも注意します。
ただし、水が電気設備の近くまで達している場合などは、無理に触らず、安全を優先する必要があります。
そのうえで、雨漏りが発生した場所や時間、雨の強さ、建物のどの部分から水が入ってきたように見えるかなどを記録しておくと、後の調査に役立ちます。
重要なのは、雨漏りが止まったからといって、そのまま放置しないことです。
雨が止んで乾燥すると、目に見える水滴がなくなるため、「直った」と感じることがあります。
しかし、屋根や外壁の内部に水が入り込んでいる可能性もあります。
雨漏りの原因を特定し、必要な補修を行うことが大切です。
雨漏りは「発生してから直す」だけではない
工場や倉庫の雨漏り対策では、雨漏りが発生してから修理するだけでなく、雨漏りする前に劣化を発見して補修する予防保全も重要です。
屋根や外壁は、毎日少しずつ劣化していきます。
塗膜の色あせやチョーキングから始まり、錆、クラック、シーリングの劣化、塗膜の膨れや剥がれなど、さまざまな症状が現れます。
これらを早い段階で確認できれば、大きな被害になる前に補修できる可能性があります。
反対に、劣化を長期間放置すると、単純な塗装だけでは対応できず、部分補修や屋根材・外壁材の交換など、より大きな工事が必要になる場合があります。
建物を長く使用するためにも、雨漏りが発生してから対応するのではなく、定期的な点検と維持管理を行うことが重要です。
台風対策は屋根・外壁の「今の状態」を知ることから
台風による雨漏りは、突然発生したように見えても、その原因をたどると屋根や外壁、シーリングなどの劣化が以前から進行していたケースがあります。
特に工場や倉庫は建物の規模が大きく、屋根面積も広いため、一度雨漏りが発生すると、製品や設備などへの二次被害につながる可能性があります。
そのため、台風シーズンを迎える前に、
「今の建物にどのような劣化があるのか」
を把握しておくことが大切です。
屋根の錆や腐食、外壁のクラック、シーリングの劣化、塗膜の膨れや剥がれ、雨樋の詰まりなど、目に見える異常がある場合は早めに状態を確認しましょう。
また、建物内部に天井のシミやカビ臭、湿気の増加などが見られる場合も注意が必要です。
台風が来てから慌てて対応するのではなく、普段から定期点検と予防保全を行うことが、工場・倉庫の雨漏り対策につながります。
「最近、屋根や外壁を点検していない」「以前から劣化が気になっている」「過去に台風の後に雨漏りしたことがある」という場合は、台風シーズンをきっかけに一度建物の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
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